2007-01-01から1年間の記事一覧

ケータイけものみち

昨日のエントリについて、海部さんからトラックバックいただきました。ありがとうございます。 グーグル主導のオープン化の動きが、どこまで「業界の本質的な地殻変動」であるのか、それとも「グーグルvs.ベライゾン」の政治的かけひきの一つなのか、という…

ケータイ進化論 本当の「黒船」はこれから現れる

来年はついにiPhone日本上陸か、といわれており、Appleと組むキャリアはドコモか、ソフトバンクか、といわれている。iPhoneの参入は、パラダイス鎖国日本への黒船来襲ではないかとも言われる。だが、iPhoneもまた垂直統合型のクローズドな製品である。確かに…

「ウェブ時代をゆく」(2)ロールモデリング―「よいこと」を抽出する技術

「ウェブ時代をゆく」が日本で発売されてからサンノゼの書店になかなか入荷されなかったので、それまでの間本書に関するネット上の記事や感想を読んでいた。結局、著者本人のこれまでのブログも含め、事前情報を仕入れた上で本書を読んだわけであるが、それ…

国家プロジェクトをやめてみる(2)日本という「大組織」

前回、「ウェブ時代をゆく」で梅田さんが提案する「何か大切なものをやめてみる」を国家プロジェクトに適用し、企業側から国家プロジェクトの受託をやめてみることを提案してみた。国側については、 官の側にも少し申し上げたい。 研究的なものは、民間企業…

「ウェブ時代をゆく」(1) 儲からない仕事がしたい

梅田さんの「ウェブ時代をゆく」を読んで、シリコンバレーに来たころを思い出した。911テロの直後に渡米し、それからしばらくしてのことである。こちらにきて将来的に何がしたいのか妻に問われ、こう答えたのだった。 「儲からない仕事がしたい」 妻には…

国家プロジェクトをやめてみる

はじめに:筆者の勤める研究所の親会社は日本の大手ITベンダーのひとつですが、ここに書くのはあくまでも筆者個人としての意見です。ですが、会社の、さらには日本のIT全体の長期的な発展を願うものとしての一般論をここに発言するしだいです。 「やめてみる…

日本語論文をやめてみる

学生のころ読んだ中川いさみの4コマ漫画「クマのプー太郎」にこんな作品があった。 クマのプー太郎が暇そうに寝ている。 「君は暇そうでいいなあ、僕なんかてんてこ舞いだよ」と、その脇でテンテコ、テンテコ踊っている男。 プー太郎が一言、「そのテンテコ…

「やめてみるメソッド」

梅田さんの『ウェブ時代をゆく』の本自体はまだ未読だが、CNETの記事を見て、「何かをやめてみる」というメソッドはいいんじゃないかと思った。 この本の感想を見ると、「わくわくした」とか「元気が出た」とか書いてあります。一服の清涼剤としてこの本を使…

ウェブ時代をゆく

梅田さんの『ウェブ時代をゆく』が発売されて、話題になっている。が、実はまだ本を入手できていない。 ただ、本そのものだけでなく、その受容のされ方に興味があって、ブログ界での書評・感想を読んでいる。本を読む前に感想を書くのもなんだけど、今感じた…

再開の季節

久しぶりにブログを再開してみようと思う。 この夏から今までずっと、本業の研究のほうに集中していたのだった。夏の時期はインターンの学生がきたりして、職場は賑やかになる。学生さんからも刺激を受けながら、フル回転で研究のことを考える。9月に学生た…

GoogleのDRM征服計画

『ウェブ人間論 (新潮新書)』の感想の続きとして書こうと思っていたら、サボっているうちにも事態は進んでいる。 Policing Web Video With 'Fingerprints' - WSJ WSJによれば、GoogleがYouTubeの著作権管理にAudible Magicのフィンガープリント技術を採用す…

科学者の「俺のロマン」

元記事を読んだときのもやっとしたところが弾さんの記事で明快になった。 それでも、退屈な作業を喜々黙々と続ける人たちは、それを続けるのをやめないだろう。彼らはその先に何があるのかを知らない。しかしその先に至ったとき、どんな気持ちになるかは知っ…

情報大航海プロジェクトはどんなサービスを採択すべき?

情報大航海プロジェクトの委託先として、NTTドコモと日本航空インターナショナルの2社が採択された。 それに対する批判的記事: にしてもドコモも日航も本当に必要なサービス開発なら10億くらいポンと投資できるのに.なぜ財政資金を投ずる必要があるのだろ…

研究者になりたい皆さんへ

好きなことを意識的かつ戦略的にやるという梅田さんの記事をうけて、ではどうすればよいかという、研究者を目指す人向けの記事が目を引いた:http://d.hatena.ne.jp/Maybe-na/20070403/1175617089では私からも、研究者になりたい皆さんへ。 今の環境でサバイ…

日本のソフトウエア生産性と品質は世界最高水準?

日本のソフトウエア生産性と品質は世界最高水準〜なぜ日本のソフトは国際競争力がないのか。 - 木走日記 「日本人技術者の生産性の高さ、成果物品質の桁違いの高さは、何人ものアメリカの学者の科学的調査で報告されている」というスティーブ氏の指摘ですが…

梅田発言にまつわる雑感:入り口で絞るか、出口で絞るか

梅田さんの発言 (直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。 - My Life Between Silicon Valley and Japan) を読んで、「まあそうだよねえ」と思っていたら、 ネットでのすごい反響(嵐のような…

Googleに対抗するとしたら

情報大航海プロジェクトはGoogle対抗国産エンジンを作るのが目的ではないとしても、あえて対抗したいとしたらどうするか?*1 「検索エンジンの破壊的な技術革新はもはやない」か? ちょっと古い記事になるが、各国の「Google対抗意識(検索エンジン・ナショナ…

口コミサイトのスケーラビリティ

先日日本への出張の際、久しぶりにlivedoor 東京グルメを利用した。アスキーの実験サイトから個人運営の時代を経て、現在はライブドアに買収されている。実験サイトの立ち上げに参加したものとして、今も続いていてくれているのがうれしい。管理者の熱意とそ…

情報大航海の中の人にきいてみた。。。

日本出張で久しぶりに古巣の大学を訪問し、情報大航海プロジェクトの中のえらいひとにお会いした。 当初、官製グーグル(日の丸検索エンジン)つくってどうする?みたいな批判が多かったが、経済産業省の人の反論もあった。官僚側のえらいひとやITベンダーの…

群衆の叡智に必要な「集約機能」

大人になりきれていない自分は、「大人の振舞い方」が何かまではわからないが…。http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070106/p1 「変わろうとしている」のはたしかなのだが、ここにさらなるイノベーションが未だ創出されていないため、相変わらず「何かを表…

 「匿名社会のサバイバル術」を支援する技術

第二章はネットでの匿名性に関する「人間論」が繰り広げられる。匿名・実名の問題は、ネットでは古くから議論されるテーマである。匿名にも実名にもそれぞれ利害得失があり、どちらにすべきという一方的な結論が出る話ではない。この対談は、実名匿名に白黒…

『ウェブ人間論』を読んで技術を考える

梅田望夫・平野啓一郎『ウェブ人間論 (新潮新書)』を読んだ。多くの人が感想で述べるように、梅田さんと平野さんの食い違っている部分が面白い。対談なので全体的に突込みが足りないが、それがかえって議論の良い出発点になるのだろう。これから考えるべきこ…